今日はコミュニケーションの話。
もともとクレーム対応について書くつもりはなかったのですが、結果的にクレーム対応の極意につながる気がしたので、こういうタイトルにしました。
「自分が間違っているかもしれない」という感覚を持っておくほうが良いよねという話です。
ちなみに「自分が間違ってしまっているかも感」のもっと良い表現があったら変更したいです笑
今日のブログでは、「具体例」「日常でのマインド」「テクニック論」「クレーム対応」「ただし。。。」の順番で、私の考えを書いていきますね。
ちなみに、クレーマーと思われたくないので気をつけて書いていきますね笑
今日書いている内容を全部相手に伝えているわけではないことをご承知おきください。。
「自分が間違っているかも感」とは
まずここを説明しておきますね。ただ、そのままのとおりです。
何かトラブルや意見の相違が起こった時に、「絶対俺が合っている!」とか「あの人が間違っている!!」と断定せず、「自分が間違っているかもしれない」という「余地」を持っておこうということです。
いくつか理由があります。それはそれぞれの項目で伝えていきますね。
よくそんなこと言えるなぁ・・最近の具体例
話をわかりやすくするために、最近の具体例を共有しますね。
これは、マインドにも、クレーム対応にもどちらにもつながる話。
2020年7月に栃木県佐野市に移住した際に借りた賃貸の平屋。ここ、実は売電設備があるんですよね。
ソーラーパネルなどで発電をして、使っている以上の電力が発生した場合は電力会社が買い取ってくれる制度ですね。
詳述はしないですが、設備を作って10年間は高単価で買取をしてくれるような精度があるみたいなんですよね。環境問題への取り組みですかね。
で、それが今年(2022年)の3月で満期を迎え、電力買取の会社選択&再契約をする必要があるのと買取価格が大幅に減少(3分の1ぐらい?)するらしいんですよね。
この電力買取の会社の変更のことがよくわからず、事情も把握していないため不動産屋さんと色々やり取りをしていた中で、率直に「契約して1年ちょっとで買取価格が変わるのであれば、説明があった方がよくないですか?」と伝えました。
その時のお返事が「絶対に説明しています!!」というものだったんですよ。
で、それについては「これは言った言わないの問題なので、深く話しても何もならないですね」とお答えしました。無駄だったのと、「私の記憶がないだけかもしれない」と思ったからです。
そもそも、お電話でお話をしている人はその当時の担当の方とは別で、当時の担当の方は既に退職されているそう。文書にもなっていないし、「いつもこのチェックリストに沿って説明している」とか、そういう取り組みがあるわけでもない。(と思う)
そのような状況で、「絶対に説明しています!」とよく言い切れるなと、シンプルにそう思いました。
ちなみに電話口のその男性は、「ここ5〜6年は絶対に説明しているようにしています!」「2〜3年で満期を迎える人には説明をするようにしています。だって買取価格が下がるって大きなことじゃないですか!」とも言っていました。
とりあえずこんなことがあったという共有です。細かいツッコミどころは他にもたくさんあったのですが、これを題材に、話を進めていきますね。
日常のコミュニケーション編
まずは日常のコミュニケーションでどんな弊害があるか見ていきましょう。
色々なシチュエーションが考えられるかもしれませんが、2つ取り上げますね。
前言撤回が困難
シンプルです。前言撤回がしづらいです。
「いやー間違ってました!!」と言えるキャラクターなら良いかもしれませんが、そういうシチュエーションではないですよね。
「○○だと思うんだけどなぁ!記憶違いかな。。。」というスタンスでいれば、間違いが明らかになった際に下記のような感じになりますよね。
- 相手が間違っていた場合:「やっぱりね!よかった!!」
- 自分が間違っていた場合:「やっぱり間違ってたかぁ。。ごめん!」
という感じ。これ、どちらにも取れるような言い方をしよう!という内容ではなく、「軋轢を発生させないコミュニケーションのコツ」です。
自分が同じことをできない
次はこれ。主に誰かのチャレンジや主張を避難・否定するシチュエーション。
たとえば「サラリーマンから独立するなんて絶対失敗する!!」「SNSなんて絶対に犯罪に巻き込まれるからやるべきではない!!」みたいな(使い古された例えで恐縮ですが笑)批判をしたとして・・・あなたがサラリーマンからの独立やSNSのスタートをする時、どんな顔してチャレンジするんですか笑
シンプルにそう思いますね。「あなたは一生そのチャレンジをしないんですか?」って思います。
でも、こういう場面ってたまに遭遇するんですよね。
生暖かく見ております笑
何が良くないか、テクニックの面で考察する
さて、さっきの不動産屋さんとのやり取りを題材に、何が良くないかテクニックの面で考察しますね。
大きなものは3つあります。
- 相手を最初から否定している
- 証明できない内容を主張してしまっている
- 「絶対に」と言ってしまっている
それぞれサクッと解説します。
相手を最初から否定している
「絶対に説明しています!」という主張は、「説明したのにあなたが忘れているだけです」という意味です。
相手がそう言っている以上、現段階では嘘をついていない限り相手は「今はそう思っている」状態です。
ただ、それを否定することで、火に油を注ぐことになってしまいます。
正直、「よくそんな一瞬で否定できるな」と思います。
「今日は絶対水曜日ですよ!!」と言うのですら、ちょっと考えますよね笑
証明できない内容を主張してしまっている
今回の不動産屋さんとのやり取りでは、「説明した」という事実は証明できない内容です。
それにも関わらず、「絶対に説明した!」と主張しているわけです。
さらに、説明をしたご本人は既に退職をしているという状況。
いくら主張しても説得力がありません。
「絶対に」と言ってしまっている
証明ができないにもかかわらず「絶対に」と言ってしまっています。
「絶対に」という言葉は、カンタンに使える割に破壊力のある言葉です。
絶対なんて、なかなか使えたものじゃないですね。
「自分は絶対にサーティーワンのチョコミントが好き!」という時ぐらいしか使えないですね。
自分がすべての意思決定ができるものぐらいにしか使えないという意味です。。
クレーム対応(ご意見対応)の極意
これまで書いてきたことを背景に、クレーム対応の極意について3つのポイントをお伝えします。
接客をしたり電話対応をしたりするサービス業の人や、営業などでお客様に対応する人に特に役に立つんじゃないかと思います。
ちなみに私はよく使われる「クレーム処理」という言葉があまり好きではありません・・また、「クレーム」という言葉も同じく好きではありません。
ここではわかりやすく「クレーム」と書いていますが、「ご意見対応」ぐらいのほうがマイルドでいいですね。
さて、見ていきましょう。3ステップで対応していきます。
- 一旦受け止める
- 共感する
- 納得感のある説明をする
さて、いつもどおりそれぞれ解説していきますね。
一旦受け止める
これは、クレーム・ご意見のお電話があったら真っ先にやることです。
「ただ聞く」と表現してもいいかもしれません。とにかく話を聞きます。
何があったのか、どんな感情になったのか、どうしてほしいのか、どういう状態に持っていきたいのか・・・
色々お客様や相手が考えていることを、とにかく聞きます。
変なアドバイスや解決策を持ち出さないでください。
やっていいのは相槌のみです。
さて、次に進みましょう。
共感する
相槌の際にも「共感をしながら」相槌を打ってください。
「そうでしたか」「そんなことがありましたか」「それはご不便をおかけしてしまいましたね」などなど。
そして、徐々にこちらが話せる間や雰囲気がでてきたら、相槌だけでなく、共感の言葉をかけていきましょう。
「そのような状況でしたら、ご納得されないですよね」「お忙しい中お時間を使っていただくことになってしまいましたよね」
などなど。これは内容によって変えないといけない部分のため少しむずかしいですね。
そして、ここでもう一つコツがあります。それは、「謝る必要はない」ということ。
この段階では、間違っているかわかりません。「謝ればOK」「ごめんなさいと言えば済む」わけではありません。
ただの喧嘩なら、どちらかが折れればいいという解決策もあるかもしれませんが、今はそうではありません。ビジネスです。
そのため、内容が証明されていないのに謝る必要はありません。
ただし、「そうでしたか。ご説明いただくためにお時間をお使いいただくことになってしまい申し訳ありません」など、今のお客様の行動に対してのお詫びなどはお伝えしても全く問題ありません。
とにかく、現時点で分かっていることを材料に話を進めていきましょう。
納得感のある説明をする
ここでは、自分たちに非がなかった時の話をします。非があった場合は適切にお詫びをし、対応をしてください。
非がなかった場合は、納得感を作りながら説明をしてください。
たとえば「電力の件については必ず説明が必要になり、漏れてはいけない内容のためチェックリストにしています。当日の資料を確認すると、ご説明済みというチェックが入っています」など、客観的に納得感のある説明をするべきです。
そしてテクニック論ですが、書面に残すのも1つの方法です。
面倒と思われるかもしれませんが、企業やサービスを守るためには必要な手段です。
言いがかりをつけてくる人もいますからね。信じられないほど理不尽なクレームを言ってくる人はいるものです。
また、実際にそのように(本気で)思い込んでいる人もいるため、いざというときのために説明できる対策は必要でしょう。
自分が悪かった感を保つ(相手だけが悪いという状況を作らない)
ただ、とはいえ上記のシチュエーションで例に挙げた「チェックリスト」は、証拠としては少し弱いです。納得感にはつながるかもしれませんが弱いです。
そこで、「ただ、様々なご説明をしている中での1つのご説明のため、書面などで残すなどの対策をするべきだったかもしれません。見返していただけるような書面がなく恐縮です」など、こちらでも対応ができたかもしれないですよね・・・というご案内をすると良いでしょう。
なぜなら、本当にそういう対策ができるかもしれないというポイントでもありますが、目的はそこではありません。
お客様が逃げられる隙を作るという感じです。
言い換えると、「とどめを刺さない」という感じですね。
その点で言うと、もし証拠の文書が残っていたとしても、「これがありますので私達が合っています」ではなく、「もう少し強調させていただくべきでしたね」などとお伝えした方が、マイルドに終わるでしょう。
「そうだよ!!!強調するべきだ!!」と言ってくる人は少ないでしょう。そういうお客様と今後もお付き合いをするかを考えた方がいいかもしれませんね。
要するに、うまく着地していただくために、とどめを刺さないように「私達が正しかったんですが、もう少し説明のしようがあったかもしれないですね」という感じを伝えるという意味。
ただこれ、結構面倒です。それでも、逆に長引かせないためには必要なテクニックです。
前向きに未来の話しをしよう
最後に、お客様がなんとか落ち着きを取り戻し、「納得感」を持ってくれたあたりに、感謝を伝えるといいでしょう。
たとえば「このようにご指摘いただけなければ、気づかずに見過ごすところでした。同じように思っていらっしゃる方が他にもいらっしゃるかもしれません。改善に役立たせていただきます」や「社内でも情報共有させていただきます」と良い、ご意見ありがとうございます!というスタンスで終わるといいでしょう。
このようなやり取りをしたお客様は、熱狂的なファンになってくださる可能性があります。
実際、「もうこの企業・サービスは良くないな・・」と思って静かに去って行かれてしまうより何百倍もありがたいです。
しっかり感謝をお伝えし、実際に実行に移すかは社内やご自身で考えていくといいのではないでしょうか。
ただし、自分の意見は持とう
さて、クレーム対応についてラジオで話したところ、意外と反響が大きかったため文章にもしてみました。
今回書いたことはほんの一部の対応方法、テクニックですが、役に立ちそうでしたら続編でも書こうかなと思います。
ただし、ここで書いてきたのはあくまでも「クレーム対応・ご意見対応」の視点での話。
誤解していただきたくないのは、「自分の意見」は強く持って欲しいということ。
たとえば、「長時間働けばいいなんていう考えは捨てるべきだと思う!!」など、自分の意見は強く持ってほしいと思うんですよね。
「長時間働けばいいなんて言う考えは古いけど、どちらの考えもいいなぁと思うんですよね」とか、つまんないんですよね。
相手の意見は尊重しつつ、自分は何を考えているのか、どういう哲学なのかは強く持っていてほしいと思っています。
で、意見が変わったら「やっぱり変わった!」と潔く軽やかに変化していけるのがいいんじゃないかなぁと思っています。
これは相手がいないことですから。